地球号
「私、船長にお会いしたいの」と、
婦人は叫んだ、「船長よ、おわかり?」――
「それはできません」と、答え。「帰りなさい、
帰るのです。船長にはけっして会えません!」
その婦人はひどく怒って、
「それじゃあ、これ――それから、これも船長に渡して。」
(彼女は、手すりがびしょぬれになるほどわめきちらした。)
彼女が乗ってる船の名は「地球」。
Schiff “Erde”
“Ich will den Kapitän sehn”, schrie
die Frau, “den Kapitän, verstehn
Sie?” –
“Das ist unmöglich”,
hieß es. “Gehn
Sie!
So gehn Sie doch! Sie sehn ihn nie!”
Das Weib, mit rasender Gebärde:
“So bringen Sie ihm
das – und das -.”
(Sie spie die ganze Reling naß.)
Das Schiff, auf dem sie
fuhr, hieß “Erde”.