ある悲劇の構想
エルスターという名の川、
自分の真の姿を思い出し
ある夜のこと
飛び去る。
アントンという名の男、
自分の畑の上でそれを見つけて
火打ち石銃で
撃ち殺す。
エルスターという名のその生き物、
自分の身勝手を悔やむが遅すぎる
(なぜなら――水飢饉が
始まっている)。
アントンという名の男、
(残念ながら不思議でもないが)
自分が共犯であるとは
ちっとも知らない。
アントンという名の男、
(いくらか気が鎮まることには)
やはり喉の渇きのあまり
死んでしまう。
Entwurf zu einem Trauerspiel
Ein Fluß, namens Elster,
besinnt sich auf seine wahre
Gestalt
und fliegt eines Abends
einfach weg.
Ein Mann, namens Anton,
erblickt ihn auf seinem
Acker und schießt
ihn mit seiner Flinte
einfach tot.
Das Tier, namens Elster,
bereut zu spät seine selbstische Tat;
(denn – Wassernot tritt
einfach ein).
Der Mann, namens Anton,
(und das ist leider kein
Wunder) weiß
von seiner Mitschuld
einfach nichts.
Der Mann, namens Anton,
(und das versöhnt in einigem Maß),
verdurstet gleichwohl
einfach auch.